理学療法士が解説!筋トレの頻度と負荷量のベストバランス!効果的に筋肉を成長させる方法とは?

Q&A

 筋トレを効果的に進めるためには、適切な頻度だけでなく、「負荷量」も重要な要素です。「どのくらいの頻度で鍛えればいいのか?」「負荷量はどれくらいが適切?」といった疑問に答えるため、頻度と負荷量のバランスについて徹底解説します。

筋トレの頻度と負荷量が重要な理由

 筋肉の成長(筋肥大)や筋力向上を効率よく進めるためには、以下のポイントを押さえる必要があります。

  1. 頻度
    筋肉はトレーニング後に回復しながら成長します。適切な頻度を設定することで、十分な刺激を与えつつ回復時間を確保できます。
  2. 負荷量
    負荷量は、筋肉にかかる刺激の強さを示します。負荷が不足していると筋肉は成長しませんが、過剰だと回復が追いつかず、ケガのリスクが高まります。

  頻度負荷量のバランスを取ることが、筋トレ成功の鍵です。

理想的な筋トレ頻度の基本

初心者の場合

  • 週2~3回を目安にトレーニングを行いましょう。
  • 筋肉の回復に必要な時間は48~72時間です。同じ筋群を連続して鍛えるのは避けるのが鉄則。

中級者・上級者の場合

  • 週4~6回を目安に、分割法で筋群ごとに鍛えます。
  • 筋トレの総ボリューム(セット数×回数×負荷)が重要になるため、頻度を増やすことで適切なボリュームを確保します。

筋トレの負荷量とは?

負荷量は、以下の3つの要素で決まります:

  1. 重量(レジスタンス)
    持ち上げるウェイトの重さ。筋肥大を目指す場合、最大挙上重量(1回挙上または反復可能な最大の負荷=1RM)の60~80%が理想とされています。
  2. 回数(レップ数)
    1セット内で繰り返す動作の回数。筋肥大を目的とするなら8~12回を目安に行うと効果的です。
  3. セット数
    1回のトレーニングで行うセットの数。筋肥大を目指す場合、1つの筋群につき1~3セットが推奨されます。

頻度と負荷量のバランスを取る方法

筋トレの頻度と負荷量を調整することで、筋肉に適切な刺激を与えることができます。

全身法(初心者向け)

  • 頻度:週2~3回
  • 負荷量:中程度の重量(1RMの60~70%)で1部位につき2~3セット
  • :スクワット、ベンチプレス、デッドリフトを各3セットずつ行う。

分割法(中級者・上級者向け)

  • 頻度:週4~6回
  • 負荷量:筋群ごとに週10~20セットを目安にする。
    • 月:胸・三頭筋(ベンチプレス、ディップス)
    • 火:背中・二頭筋(デッドリフト、懸垂)
    • 水:脚(スクワット、レッグプレス)
    • 木:休息
    • 金:肩・腹筋(ショルダープレス、プランク)

科学的根拠に基づく負荷量と頻度のガイドライン

筋肥大を目指す場合

  • 頻度:筋群ごとに週2~4回
  • 負荷量:1セットあたり8~12回(高重量:1RMの70~85%)で1~3セット。
  • 注意点:総ボリュームが増える場合は、適宜頻度を増やして調整する。

筋力向上を目指す場合

  • 頻度:筋群ごとに週2~4回
  • 負荷量:1セットあたり8~12回(高重量:1RMの60~70%)で1~3セット。セット間は2~3分の休憩を挟む。低~中速度(1~5秒かけて下ろし、1~5秒かけて挙上させる)が望ましい。
  • 注意点:神経系の負担が大きいため、十分な回復時間を確保する。

筋持久力を目的とした場合

  • 頻度:筋群ごとに週2~3回
  • 負荷量:1セットあたり10~15回低負荷で数セット。セット間は1分未満の休憩を挟む。低速度(5秒かけて下ろし、秒かけて挙上させる)が望ましい。
  • 注意点:心肺機能への負担が大きいため、脈拍、息苦しさ等に注意する。

筋力訓練の7つの原則

1. 過負荷の原則(Overload)

 筋肉を成長させるためには、日常生活で受ける刺激以上の負荷を与える必要があります。適切な強度で、漸進的に負荷を増やすことがポイントです。筋力が増強した場合、それに合わせて負荷量を増強させる必要があります。

具体例

  • 毎回ギリギリの重量を扱うのではなく、70~85%の強度をベースにする。
  • 無理なフォームや反動を避け、安全性を重視する。

2.漸進性の原則(Progressive Overload)

 運動負荷は徐々に増加させなければ、高い効果を得ることができません。ただし、負荷が過剰だとケガやオーバートレーニングの原因になります。オーバートレーニングを防ぐために負荷量は2~10%ずつ増加させることが推奨されています。

具体例

  • 重量を増やす(例:5kg→7.5kg)
  • 回数を増やす(例:10回→12回)
  • セット数を増やす(例:3セット→4セット)

3. 特異性の原則(Specificity)

 トレーニングは、目標とする動作や筋群に特化させるべきです。特定の競技や目標(筋肥大、筋力向上、持久力向上など)に合わせたエクササイズを選びます。100m走選手がマラソン選手のような軽い負荷で長い時間行ってもタイムが大幅に縮むことはありません。

具体例

  • 筋肥大を目指すなら中重量で8~12回のレップ。
  • 筋力向上を目指すなら高重量で1~6回のレップ。

4. 適応性の原則(Adaptation)

 筋肉や体はトレーニングの刺激に適応します。この適応を利用して、体がより強く、大きくなるように負荷を調整します。ただし、適応が完了すると成長が停滞するため、次の段階の負荷が必要です。

注意点

  • トレーニングの内容や負荷を一定期間ごとに変更(プログレッシブプログラム)。

5.意識性の原則(Recovery) 

 筋力トレーニングを行う際、対象者自身がどこに効くトレーニングなのか、なぜ行う必要があるのかを意識させつつ行うことが大切です。

具体例

  • スクワットをする際は太もも、お尻に意識を向ける。
  • このトレーニングをする意味、することでどんな効果が得られるのかを理解する。

6.個別性の原則(Individuality) 

 すべての人は体質や体力、目標が異なるため、トレーニングプログラムも個別に最適化する必要があります。年齢、性別、トレーニング歴などを考慮しましょう。

具体例

  • 初心者:低重量・高回数でフォームを重視。
  • 上級者:高重量・低回数で筋力向上を狙う。
  • 自分の運動歴、疾患等から負荷量を決める。

7. 継続性、反復の原則(Consistency)

 トレーニングは継続的に行わないと効果が現れません。不規則なトレーニングは筋力や筋量の維持を妨げます。モチベーションを保ちながら、長期的に計画を立てることが重要です。

具体例

  • 週2~3回のトレーニングを最低でも3カ月以上継続する。
  • 習慣化するために日常生活に組み込む。

負荷量は少しずつ増加させる継続して行う鍛える筋肉をはっきりさせることが大切です!!

よくある質問(Q&A)

Q1. 毎日筋トレをしても大丈夫ですか?

A:
 同じ筋群を毎日鍛えるのは避けるべきです。ただし、異なる筋群を分割して鍛えたり、軽い負荷で行うトレーニングなら可能です。

Q2. 負荷量を増やしすぎるとどうなりますか?

A:
 過剰な負荷はオーバートレーニングを引き起こし、筋肉の回復が追いつかなくなります。疲労感やパフォーマンス低下が見られる場合は、負荷量を見直しましょう。

Q3. 初心者でも高重量で鍛えたほうがいいですか?

A:
 初心者は中重量(1RMの60~70%)でフォームを重視したトレーニングを行うことが大切です。無理に高重量を扱うとケガのリスクが高まります。

まとめ

 筋トレの頻度と負荷量は、筋肉の成長を効率よく進めるための重要な要素です。

  • 初心者は週2~3回、中重量でフォームを意識した全身トレーニングがおすすめ。
  • 中級者以上は週4~6回、筋群ごとに週10~20セットの負荷量を確保することが理想です。

 頻度や負荷量を調整しながら、自分の体調や目標に合ったトレーニングを続けることで、理想的な結果を手に入れましょう。継続が何よりも大切です!

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