デスクワークをしていると、長時間同じ姿勢で座っていることが多く、腰痛や肩こりに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?実は、姿勢をちょっと見直すだけで、体への負担を大きく減らすことができます。この記事では、理学療法士が専門的な観点からデスクワーク中の「良い座り方」について解説します。
良い座り方が体に与える影響
デスクワークのように長時間座る仕事では、体の各部位に負担がかかりやすくなります。
特に、以下の部位に注意が必要です。
- 腰: 長時間座っていると、腰に大きな負担がかかり、痛みや不快感が生じやすくなります。
- 肩と首: デスクワークでは猫背になりやすく、肩こりや首の痛みを引き起こします。
- 目の疲れ: モニター凝視することでまばたきの回数が減り、眼が乾きやすくなります。またピントがモニターに合わせ続けることで、疲れ目を生じさせます。
デスクワーク中の正しい座り方のポイント
(1) 足の位置を整える
- 足は床にしっかりつける: 足は椅子の高さを調整して、膝が90度の角度になるようにしましょう。膝の位置が腰の高さと同じか少し低くなるのが理想的です。足が浮いていると、腰に負担がかかります。
- 足の裏が床に完全に着くようにする: 足を組んだり、片方の足を上げるような座り方は、体が不安定になり、腰や骨盤に負担をかけます。足裏全体がしっかりと床につくようにしましょう。
- 足元に足置き台を使用する: 足が床に届かない場合、足置き台を使うと、膝や腰にかかる圧力が減ります。
(2) 腰のサポートを意識する
- 座面の深さに注意: 背もたれと腰がしっかり接するように、椅子の座面の奥行きを調整します。座面が深いと、浅く腰掛けやく、背中が丸くなりやすいため注意しましょう。
- 背もたれを使って腰を支える: 椅子の背もたれを使って、腰(特に下部)をサポートするようにしましょう。腰が反っている状態・背中が丸まっている姿勢は避け、自然なS字カーブを保つことが大切です。
(3) 背筋を伸ばす
- 背筋を伸ばして胸を開く: 姿勢が悪いと、肩が前に出て猫背になりがちです。胸を開き、肩をリラックスさせ、背筋をしっかりと伸ばしましょう。頭が前に出てしまうと首に負担がかかりますので、顎を軽く引いて目線をまっすぐ前に保ちます。
(4) モニターの位置を調整する
- モニターは目の高さに合わせる: モニターが低すぎたり高すぎたりすると、首や肩に負担がかかります。モニターの上端が目の高さに来るように、椅子やデスクの高さを調整します。疲れ目の観点から画面との距離は、目からモニターまで40~70cm程度が理想です。
(5) 手首と肘の角度を適切に保つ
- 手首の角度も注意: キーボードを打つ際は、手首が曲がらないように意識します。手首を曲げたままで長時間打つことは、手首に負担をかけます。具体的にはキーボードの手前にクッション等を置き、手首が反らないようにします。
- 肘は90度の角度に: キーボードやマウスを操作する際、肘が90度になるように椅子の高さを調整しましょう。腕を無理に上げたり下げたりしないように、リラックスした姿勢で作業ができるようにします。
姿勢改善のための簡単な習慣
デスクワーク中にずっと同じ姿勢を保つのは難しいこともあります。ここでは、良い姿勢を維持するための習慣を紹介します。
(1) 定期的に立ち上がる
長時間同じ姿勢を撮り続けることは体にとって大きな負担です。1時間に1回は立ち上がり、5分から10分程度体を動かして血行を促進しましょう。
(2) ストレッチを取り入れる
座っていると、筋肉が硬くなりがちです。デスクで簡単にできるストレッチを取り入れて、体をほぐしましょう。例えば、伸びをする、肩を回す、首をゆっくり回す、腰を前後に動かすなど、数分でできるものを積極的に行うと良いです。
(3) 目の疲れも意識する
パソコン作業をしていると目が疲れやすいです。目の疲れを防ぐために、20分に1回、20秒間モニターから目を離して、20フィート(約6メートル)先のものを見る「20-20-20ルール」を実践しましょう。
まとめ
良い姿勢はデスクワークの効率を高めるだけでなく、体の不調を予防するためにも非常に大切です。足の位置や椅子の高さを調整し、背筋を伸ばしてモニターを正しい高さに合わせることで、腰痛や肩こりの予防になります。姿勢が悪いと、体が疲れやすくなるので、定期的にストレッチをして、立ち上がることを心がけましょう。
日々の習慣を少しずつ見直すことで、デスクワーク中の体の負担を軽減し、快適な作業環境を作ることができます。これらのポイントを意識して、今日からより健康的なデスクワークを実践してみてください。